ソトー100年史 1923-2023

第0章 │ □□□□□□□□□□□□□□(~0000) 122 8 繊維事業をタテおよびヨコに拡大・伸長(2003~2017) ベトナムの28 CORPORATIONと業務提携 当社はグローバル展開の一環として、これからは中国に 代わりASEANがメンズスーツなどの縫製の中心になると の認識から、また一般的なスーツ素材の生産の多くは中 国に移転し、日本国内での生産が激減していたことから、 ウール素材のASEANでの現地生産の検討を開始した。 そうした中、当社と関係の深い商社からの助言もあり2013 (平成25)年9月、ベトナム・ホーチミンの有力企業である 国営の28 CORPORATIONと業務提携を交わし、ベトナ ムでの事業展開を図った。「海外では尾州と同じ受託加 工では、意味がない。紡織一貫で縫製まで行っているパー トナー企業との取り組みによってテキスタイルの自販およ び製品納入までを想定し、日本とは全く異なる事業を志 向する」との狙いからである。28 CORPORATION傘下 の綿製品一貫企業であるAGTEX28に設備を導入し、日 本向けにスーツ、ユニフォーム用途のウール・ポリエステル 混梳毛織物の生産を行う。日本の染色加工企業として初 めてのベトナム進出であった。ベトナムが選ばれたのは、タ イなどではすでに賃金レベルが高くなっており、一方でベ トナムは人口が多く、人々の勤労意欲が高く、工場も比較 的よく管理されているといった理由からであった。 2013年12月に織布・染色加工の一貫工場として稼働 を開始したが、コスト競争力に強みを持つ韓国系、中国系 の競合企業に対し、品質面での付加価値により存在感の 増大を狙った。糸は中国、インドから調達した。 2014年7月にはワーパー機や整経機、染色加工設備 一式を導入し、同年8月にポリエステル・毛混のテスト生産 を開始した。

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