ソトー100年史 1923-2023

71 グループ化の完了 およそ10年におよぶグループ化により、当社は1973年 ごろには日本化繊、蘇東整絨、丹菊染色整理工場、八州 整染、サクソン、関東整染、蘇東商事、ヒルダメンディング、 オデオンという9つの関連会社を抱えることになった。これ により当社の事業分野は毛織物やニット製品の染色整理 をはじめ合繊織物、合繊ニット、着尺、毛布などの多様な 繊維製品の加工仕上げ、さらに紡毛紡績や毛織物製造ま でを含む多岐にわたることになった。 戦後は1950年代からのガチャマン景気、朝鮮特需景 気を経て、高度経済成長もあり、繊維業界も順調に伸びて きたが、一方で新しい合繊繊維が衣服の素材として広く 普及し、またニット製品がアウターウエアとして使われ始 めるなど毛製品の需要は不安定なものになりつつあった。 とりわけ婦人物衣料への合繊の進出が目覚ましく、尾州 の天然繊維の一部は大きな打撃を受けた。また、北関東 の毛織物産地においても従来の主力製品であった紡毛 毛織物が急速に衰退するなど業界は大きな流動、変化を 続けていた。 そうした市場の変化もあり、当社もその対応に追われて きたが、そのなかで新たな飛躍を期すために取り組んだ のがグループ化であった。グループ化にはさまざまな試行 錯誤があったが、そのほとんどは敵対的なM&Aではなく、 先方から依頼されての提携や合併であった。その際、旧社 名、旧資本をできるだけ残す方針が採られた。 グループ化の完了により、当社グループは尾州毛織物 産地の染色整理業界において、艶金グループと並ぶ企業 グループとなった。 第4章 │ グループ化を経て50周年を迎える(1963~1973)

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