ソトー100年史 1923-2023

第0章 │ □□□□□□□□□□□□□□(~0000) 138 9 優れた感性と技術で新たな価値の創造へ(2018~2023) ではなく、当社が生産と品質を管理する人材を送り、ウー ルの加工に必要な設備を工場内に設置するというもので あり、提携解消が難しいスキームでもなかった。これ以上 ベトナムでの生産を続けても傷口が広がるだけとの判断 から2019年3月、業務提携を解消した。海外での生産は やはりその国である程度の消費が見込めるものであるべ きとの教訓を残した。 染色加工事業で工場を集約 2012(平成24)年に第一事業部に隣接する第二事業 部の営業を廃止して以来、第二工場は第一事業部の補 完的な役割を担っているだけであり、工場の集約が一つ の課題になっていた。集約するのであれば、比較的土地の 価値が高い一宮事業部を第二工場に移設するのが最適 と思われたが、一宮事業部が好成績であったことから工 場の稼働に支障をきたしてまで移設するという決断は下 せなかった。 当社グループが営む染色加工事業は、ファッション衣 料を中心に加工しており、新型コロナウィルス感染症によ りファッション衣料消費が大きく落ち込んだため、大変厳 しい市場環境となった。さらに、アパレル業界における大 量生産に伴う製品の大量廃棄が、SDGs(持続可能な 開発目標)の観点から構造的な社会問題となっており、今 後新型コロナウィルス感染症が収束し市場が回復したと しても、以前のような生産状況に戻ることはないと推測さ れた。また、繊維産業においては、SDGsへの対応が求 められており、多くのエネルギーや水を消費する染色加工 事業においては、特に環境への取り組みが事業の継続に

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