ソトー100年史 1923-2023

46 第3章 事業環境激変のなかでの急成長 (1946~1962) 第3章 │ 事業環境激変のなかでの急成長(1946~1962) 1.戦後の混乱のなかの操業再開 大同毛織の資本参加と支援 1945(昭和20)年8月15日、終戦によって当社は転用 解除となったものの、工場内には整理機械は一台も残っ ていなかった。復興していかなければならないとの思いが 強くある一方で、なかなか先に進めなかったため、当社は 整理機械を貸与していた大同毛織に対し、復興に対する 援助を申し入れた。同社は借り入れた機械を奥町の長瀬 染工場(大同毛織奥町工場)に保管していた。 大同毛織は当社に対し、資本金30万円の株式のうち過 半数を保有することを条件にこれを受け入れたが、衣料 製造には整理会社が不可欠であり、尾州地区の復興には 蘇東興業の復興が欠かせないと判断してのことだった。同 社の参入に関し、尾西の機業家のなかには自分たちの生 産活動に影響が出るのではないかと心配するところもあっ たが、尾西には整理業者が少ないこともあり、当社の復興 が尾西の機業発展には欠かせないとの考えから受け入れ られていった。当社には、資金繰りや設備の買い付けに苦 労していた状態から脱することへの期待もあった。 1945年11月8日、臨時株主総会を開き、大同毛織社 長である栗原勝一の代表取締役社長への就任を承認し、 当社の再建に取り組むこととなった。 大同毛織から二十数人の応援人員を受け入れ、同社に 残っていた資材を利用することになった。 操業の再開 わが国の社会および産業の復興が少しずつ進むなか、 大同毛織奥町工場(前長瀬染工場)

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