ソトー100年史 1923-2023

52 が大同毛織の援助を仰いだ際、当社の代表取締役社長 に就任し、1947年に独占禁止法によってやむなく退任し ていたが、この年になって復帰が決定したものだった。同 年11月27日に開かれた臨時株主総会後の取締役会で 兵藤長雄が代表取締役専務に選任され、営業部長も兼 務して当社を牽引していくことになった。 蘇東シュランクの売り出し 1956(昭和31)年になると世界経済の好調による輸 出などもあり、神武景気と呼ばれる長期の景気拡大が始 まった。あらゆる産業活動が拡大し、金融正常化などの 好条件に恵まれた毛織物業界も好調に推移した。尾西の 毛織物輸出は戦後最大に達し、染色業界も戦後最大の 取扱量を記録した。当社の業績も急速に向上したが、この 好機を逃がさず、東西の商社に当社の仕上げのよさを積 極的にアピールし、機業家との間の連携も密にした。その 結果、生まれたのが、「ロンドン・シュランク」方式による「ソ トー・シュランク」であった。“絶対に地ノシがいらない”と の保証ラベルを付けて売り出し、大成功を収めた。 こうした積極的な経営に合わせて、第7新株の増資を 決定した。1956年4月20日時点の株主に対し1対0.3の 割合で割り当て、払込金額は20円無償の1株30円、払い 込み期日は6月1日、ほかに6万株を一般募集した。 これにより、新資本金は1億2,000万円となった。 復興10周年記念式典の開催 1956(昭和31)年4月28日から29日にかけて、1946 年4月29日に操業を再開して以来の復興10周年を記念 第3章 │ 事業環境激変のなかでの急成長(1946~1962) 兵藤専務 栗原社長の年頭あいさつ

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