ソトー100年史 1923-2023

85 新株式発行の目論見書(昭和60年) 転換社債契約書 やすための増資であった。さらに1987年5月21日、再び 新株式発行200万株による増資を決定したが、この増資 によって設備が拡充できて増収増益につながり、当社の 財務体質が大きく改善された。 1988年には新たな資金調達の方法として、スイス・フラ ン建転換社債を発行した。目的は染色工場の大幅増設と 配送センターの建設であり、同年4月5日、初めての転換 社債を発行した。社債による株式への転換は4月中旬から 始まり、1991(平成3)年5月までの4年間、16度にわたって 増資が行われ、資本金は31億2,419万9,406円となった。 100億円企業への道 1980年代後半、輸出関連企業の円高対策が軌道に乗 る一方、物価の安定と低金利の下で設備投資も個人消 費も活発化し、毛織物業界も拡大基調に乗った。当社も 設備投資を活発に行い、新技術・新製品の開発に力を入 れ、基礎技術の研究に取り組んだ。その結果、これまでの 冬場の閑散期の落ち込みを非ウールの生産でカバーでき る体制を整えることができた。1985年からの増資および 転換社債の発行によって社会的な信用も増していた。 1988年11月、売上げは99億6,725万円となり、100 億円を完全に射程に入れたが、これもすべては技術開発 への積極的な取り組みと顧客志向に基づく営業努力な ど、長年にわたる地道な努力の積み重ねの結果にほかな らなかった。 第5章 │ オイルショック後の経営改革と計画経営の開始(1974~1988)

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