ソトー100年史 1923-2023

31 成した。この間、ロープ洗絨機、幅出機械、湯熨斗(ゆの し)機、剪毛機、電動機類を発注し、順次、工場への設置 を進めていった。5月1日には名古屋高等工業学校出身の 染色技術員を採用した。同年8月には事務所(33.36坪)、 寄宿舎(91.88坪)、食堂(12坪)、浴場(10.6坪)を完成 させ、門前では社宅の建築を完了した。 1925年10月下旬から整理工場の試運転を開始し、11 月10日に操業を開始した。会社創立から2年8か月、一宮 織物製整の誕生から3年半近い年月を経ての操業開始で あった。同年12月1日には染色工場と倉庫も完成した。翌 1926年3月下旬に染色機械の据え付けを完了し、4月下 旬から試運転を開始した。 1926年は他の機械類の増強も行った。国産の起毛 機、幅出乾燥機、立蒸機、外国製のロータリー各1台をは じめ、中古の乾燥機、縮絨機、洗絨機、ペーパープレスな どである。さらに翌1927年春にはクランピング・マシン1 台、四幅折畳機、英国製シーヤー1台なども購入した。こう した増強により生産効率は大幅に向上した。 2.草創期の経営 余儀なくされた職工の解雇 染色工場が操業を開始した直後の1926(大正15)年 5月末の第7期決算では初めて369円の営業利益を計上 したため、職工に賃金の3割、社員に賃金の5割の初めて の賞与を支給した。さらに生産効率の向上により1926年 11月の第8期決算では一挙に6,487円余りの好成績を収 めた。 第2章 │ 蘇東興業の誕生と戦時下の経営(1924~1945) ■T型フォードが走る 反物の輸送はもっぱら馬が引く荷車 か大八車だったが、12月28日には当 時としては珍しい自動車、T型フォー ドが1台購入された。

RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=